2012年1月5日木曜日

鏡餅の柑橘は橘で


今年のお正月の我が家の鏡餅には、沼津市戸田から送っていただいた橘の果実をお供えいたしました。ミカンの仲間を柑橘というように橘は日本のミカンの元祖です。元旦の鏡餅の上にはミカンを載せます。ナシでも柿でもリンゴでもなく、なぜ柑橘でなければならないのか。考えてみる不思議に感じがしないでしょうか。それは橘に始まりや原点回帰の伝承があるからで、元旦の鏡餅の上にもミカンを載せるようになったと思われます。特に本年は、原点に帰って生かされている意味を感じられるようになることが、何よりも大事なことのように思われます。

2011年12月28日水曜日

御食国の味と香り






12月19日三重県鳥羽市で恒例となっている倭橘の果皮を配合した屠蘇散づくりが、行われました。京都薬科大学附属薬用植物園の後藤勝実・月岡淳子先生が講師で来られたのですが、その前に昼食に海女料理をいただくことができました。伊勢・志摩は日本で最も海女さんが多い地域ですが、この海女の文化を知ってもらおうと、海女さんが漁の後に暖を取る海女小屋を改装し、海女さんが海からとって来た魚介類を炭火で料理してくれるというものです。海を眺めながらのとれたての新鮮な貝・サザエ・伊勢エビの何と美味しいこと。しかも海女さんの明るくパワー溢れる会話が、最高のスパイスとなり美味しさを倍増させるのです。詳しく漁の話を伺うととても危険な漁にもかかわらず、この明るさ、元気さに圧倒されてしまいます。特に興味深かったのは、海に潜る場合、目印になる地形や太陽の位置などに注意を払っていることでした。身の危険を守ることですから、大事なことなのだと思われます。また小高い丘の上から、条件がいいと富士山が見える場所がある話などから、常世国の波がよせる伊勢と富士山との関わりなど、やはり海洋民俗の太陽信仰を伺わせる内容を聞くことができました。磯の香り、常世国の橘の香りを満橘した1日でした。写真は上から 海女小屋・料理風景・料理のアップ・海女さんが信仰している石神。最近は女性の願いをひとつ叶えてくれるパワースポットの神様としても知られている。御祭神は神武天皇の母玉依姫命。屠蘇散づくり風景。

2011年12月2日金曜日

CONTEMPORARY ART NOW KAWAGOE






アートギャラリー呼友館(埼玉県川越市)で、「CONTEMPORARY ART NOW KAWAOE」が12月1日より開催中です。(来年1月29日まで)知人の矢萩典行氏と石田智子さんが作品を出されております。(矢萩氏は川越在住で今回の企画の主宰のひとりでもあります)石田さんの作品は私のHPでもリンクさせていただいておりますが、白い紙縒りの透明で緊張感のあるすばらしい作品でした。矢萩氏の焼物もこれまた美々なる作品です。どこか縄文や弥生の土器を想わせながらも現代的な雰囲気もあります。矢萩氏からの依頼で、作品の壺のひとつに香りを漂わせることとなりました。4種類の日本の樹木の香りの中から矢萩氏が選ばれたのは、クスノキから採油した樟脳の香りでした。樟脳についてはこのブログでも紹介させていただきました日本で唯一の天然樟脳を製造している内野樟脳の香りです。古代の日本でクスノキは神霊の宿る霊木とされ、初期の仏像の多くはクスノキであったとそうです。(法隆寺の百済観音菩薩像や夢殿観音菩薩像、中宮寺の半跏思惟像など)そんな霊木の香りと矢萩氏の器がどんな語らいをしているか楽しみであります。1日は矢萩氏とやはり主宰のひとり田村優幸氏(田村氏の作品も展示されてあります。こちらもとても興味深い作品で石田氏の紙の作品と矢萩氏の器の作品と解け合うような砂と土の素材の作品です。)それに石田智子さんとご主人の玄侑宗久氏とでギャラリーの向いの「いも膳」で会食となりました。石田智子さんと玄侑宗久氏とは、5月に三春でお会いして以来久しぶりの再会でした。ここのお料理がまた大変すばらしく美味しく、感動いたしました。写真のように視覚的にも大変たのしいものです。垣根に雪が積もる冬景色の風情が表現されています。民家は器で屋根の蓋を取ると中におひたしが入っています。写真はありませんが、イモの粉を麺にしたイモ麺も美味しかったです。さらに驚いたのはお庭がすばらしいことでした。北山スギや紅葉。何よりも私にとっては石菖が入り口にたくさん繁茂していたのに驚嘆しました。この入り口のしっとりとした雰囲気に石菖がある空間の演出には中々出会えないものです。オーナーのおもてなしの心が隅々にまで行き届いていることに大変感動しました。尚石菖についてはブログでも触れておりますのでご参照ください。(ブログ2010年11月9日火曜日平城宮東院庭園の石菖)
呼友館アドレスhttp://www.kawagoe.com/imozen/koyoukan.html 
いも膳アドレスhttp://www.kawagoe.com/imozen/index.html

2011年11月12日土曜日

正倉院展

平成23年の正倉院展を観てきました。(10月30日)今年は「蘭奢侍」の香木など香りのものがいくつか展示されました。「蘭奢侍」は14年ぶりとのことで、私も初めて実物を観ることができました。実際には明治天皇や織田信長、足利義政が切り取った旨を示す紙箋がありますが、それ以外にも切り取り跡がいくつもあるのがはっきりと解りました。また裏側も観られたのが収穫でした。「蘭奢侍」には大変失礼かもしれませんが、香りのするであろう色の濃い部分は表面だけで、沈香のグレードとしては最高のものとはいえないかもしれません。でもどんな香りがするのか嗅いでみたいですね。それ以外にも、柄香炉やえび香という防虫香として用いられたというもの、また沈香の粉末を漆で練ったものが塗られ、しかも丁字がちりばめられている経筒など、大変珍しい香りの品々と対面することができました。やはり日本の香りの文化はすばらしいですね。

2011年11月8日火曜日

樟脳のシンポジウム







10月24日(月)
「『天然樟脳 魅力!再発見!』伝統産業とまちづくり」というシンポジウムが筑後市船小屋温泉のホテル樋口軒にて開かれました。昔ながらの方法で作られる樟脳の希少性や魅力のほか「香り」を生かした各地の取り組みが発表されました。
防虫剤などに使われている樟脳を140年以上作ってきた内野樟脳(みやま市瀬高町長田)と、地域の支援者や商工会による《再発見》委員会が主催し、自治体や伝統産業 に関心のある一般の人ら約130人が参加されました。長田地区にはかつて10軒の樟脳製造所がありましたが、今 は内野樟脳だけが残っています。国産の天然樟脳を作っているのは 全国で2カ所だけ。天然樟脳は、原料のクスノキのチップ 2トンからわずか30~40キロが生産されます。今は自然の香りが見直されてきて、徐々に使用する人が増えつつあります。シンポジウムでは、内野樟脳の研修生、藤井勝己さん が、蒸し方や圧搾など長年受け継がれてきた製造方法を紹介。私が樟脳の日本人の文化的な関わりと、樟脳の香りでのまちづくりの提案などを話させていただいた。参加者やみやま市と筑後市の副市長さんとの活発か意見交換が行われ大変盛況なシンポジウムでした。香りの遺産として樟脳の香りが今後も伝えられることを願ってやみません。
写真上から シンポジウム風景 中島公園のクスノキの樹林 会場での樟脳の展示 内野樟脳の工場全景

2011年7月31日日曜日

空海展




7月29日
国立東京博物館で開催中の「空海と密教美術展」に行きました。国宝 諸尊仏龕(白檀の一材を三分割して、蝶番で留めて開閉する)や板彫両界曼荼羅など白檀で作られた実物と対面することができました。時を同じくして富山県立山博物館では、「綜覧 立山曼荼羅」が開催中です。富山に行かれる方はこちらも是非立ち寄ってみてください。またこの博物館には野外施設「まんだら遊苑」があります。立山の自然と信仰を五感で体験できる施設です。私はここの香りの展示を担当させていただきました。今年博物館の二十周年特別企画展として「綜覧 立山曼荼羅」は開催されておりますが、それを記念して友の会が「香りまんだら」という香りのグッツを発売しました。HPでも紹介しておりますが、「立山曼荼羅」の世界に関わる「浄土」「地獄」「布橋」「おんばさま」を香りで表現したものです。弘法大師は密教の世界を両界曼荼羅や仏像による立体曼荼羅など、ことばでないもので表現しております。是非香りを通しても、曼荼羅の世界をイメージしてみてください。パッケージデザイン東京藝術大学名誉教授 六角鬼丈氏 問い合わせは立山博物館 0764-81-1216

2011年7月27日水曜日

南沢ラベンダーまつり






7月16日
札幌市南沢は、富良野以前にラベンターが栽培され、蒸留が行われたところです。この地区とここにキャンパスのある東海大学が、毎年ラベンダー祭りを開催しています。キャンパスの入り口にはラベンダーが植えられており、この時期は写真のように紫色の美しい風景となる。大学からは札幌ドームなど、札幌の市街地が一望でき、富良野とは違った都会のラベンダー体験が出来る。この株の多くは栽培当時と同じ品種とのこと。今回はここで採れたラベンダーの精油を使ったハンドクリームづくりが行われた。あいにくの雨だったが、多くの参加者で盛況でした。南沢のラベンダーの香りはフローラルでとても良い香りでした。