





9月23日秋分の日、茨城県石岡市小幡にある清明堂というお線香屋さんにうかがいました。こちらでは筑波山麓からの水を利用して杉の葉を水車で挽くという昔ながらの方法で線香をつくられています。杉線香の原料は杉の葉のみ、動力も水車といった100年変わらない製法を続けているのは、五代目の当主である駒村道廣さん。便利さを追求する生き方よりも、自然と溶け込んだ生活の延長として線香づくりの生業をなさっているように感じられました。うかがった日は大雨でしたが、水車は川の水量によって、水車に流れる水の量を調節しなければならないそうで、川から水車に水を引き込むところの水量の調節を気になさっていらっしゃいました。休日で製造作業はなくても、始終こうした自然環境の変化に対応されているのでしょう。ロハスな生き方といいますと、何かかっこいいイメージもありますが、そればかりではないことを駒村さんから教えていただきました。水車小屋には、「ゴトンゴトン」と一定のリズムを刻む水車の音と水の音、そこで挽かれる杉の葉の香りが漂っていました。私にとってそれは、杉樽のある酒蔵に似た雰囲気にも感じられました。自然の素材が時間をかけて醸し出すものはどこか共通するのかもしれません。駒村さんのつくる杉線香の香りは、沈香や白檀などを使った高級線香の香りではありませんが、素朴でいながら品のある香りがします。ちょっとたとえが変かもしれませんが、昔は拝殿などなく、磐座や樹木などをご神体として拝んだそうですが、こういう香りを通して、私たちは精霊や神仏との交流をも可能になるのではないかと想われました。水車小屋の水の流れるあたりには石菖が群生しており、また付近には果樹園が多く特に「福来みかん(柑子みかん)」という橘に近いみかんも栽培されておりました。私がライフワークとしている香りの植物たちが元気に育っておりました‼ 筑波山麓は、私にとってまさに楽園といえるところとなりました。写真上から 水車・駒村道廣さん・水車杉線香・杉の葉を粉に挽く・石菖・福来みかん(陳皮として七味の材料として使っている。)

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