2010年5月19日水曜日

一年越しのホウの花




あれは1年前、コニカミノルタ満天の支配人河野氏より電話がありました。「今ホウの花の香りを嗅いでるんですよ。あまりにもすばらしい香りで思わず電話しちやいました。」香りに感動して電話してくるなんて私の経験でもはじめてのことでした。星がご専門のはずなのになんというお人なんだろうとその時は思いました。で、昨日1年越しの河野氏が感激した新宿御苑のホウの木に、河野氏とともに対面することが叶いました。新宿御苑自体はじめての入園でした。大名屋敷跡に、明治政府が西洋の樹木を街路樹に取り入れるために育てたところだとのこと。苑の木は圧倒的な大木が多く存在感があります。ホウの木もりっぱでした。花の時期としても理想的だったようで、たくさんの花が開花していました。さて肝心の香りですが、さすが河野氏が絶賛するだけのものがありました。ガーデニアのような雰囲気の中にバナナのトップノートなどのフルーティな芳醇さとグリーン感が絶妙なバランスで保たれているのです。河野氏曰く、「花が香水のように香りの成分をブレンドしている。」自然の香りなのに、単純ではなくさまざまな成分が複合して醸し出している香りに感じられました。55歳になって私がはじめて嗅いだホウの香りからは、自然界の妙を教えられました。

バラ三昧


5月15日、神代植物公園春のバラフェスタのイベント 香りのモーニングツアーにオブザーバーとして参加いたしました。主催サイドの知人長野久絵さんから相談があり、講師として蓬田勝之氏を私がご推薦させていただいた経緯がありました。蓬田氏は元資生堂の調香師でいらっしゃり、バラの香りについてはこの人の右にでる人はいないという方です。写真はバラの香りの嗅ぎ方を教えているところです。この日は好天に恵まれ最もきれいな朝の瑞々しいバラの香りを堪能することができました。一概にバラの香りといっても本当にさまざまな香りがあるものです。バラの香りを嗅いでいますと戦いなど起きないのではないかと想われます。バラ爆弾を開発して、戦地に落としてみたらどうだろうなどと想ってしまいました。

2010年5月15日土曜日



森林の市
5月7日8日は、日比谷公園で「森林の市が開催されました。
両日ともお天気に恵まれ多くの方が様々な森の香りにふれることが
できたことでしょう。
このイベントでの私のお気に入りは、なんといっても鉋屑風呂です。
ヒノキ・コウヤマキ・スギなどの鉋屑が木枠のプールに入っており、
自由にその中に入って、香りを浴びることができるのです。
特にコウヤマキの香りがすばらしいのです。
木の風呂桶としてはコウヤマキが最高だといわれます。
京都の最高級の旅館である俵屋さんのお風呂もコウヤマキです。
その他黒文字の木の鉛筆や笛づくりも楽しい体験です。
木を削ったりすると香りがしてきて、何ともいえない気分(木分)ですね。
ニンベンに木で「休」という字ですが、やはり人は木とともに居てやすらぎを
えるのだなあとしみじみと想うことができました。

2010年5月10日月曜日

御柱祭の香り



5月3日4日と、信州・諏訪大社の御柱祭を観にまいりました。このお祭りは、長さ約17メートル、直径1メートル、重さ約10トンのモミの大木を山から切り出して、人力のみで各神社まで曳いて、社殿の四隅に建てるというものです。私が観ましたのは、上社の里曳きでした。前日までに社殿の四隅まで柱を曵いて、翌日建ち上げるという祭りのクライマックスでした。
伝統的な祭りであり、地元の人々がそれこそ神様に対して命がけで執り行うという、どこか背筋がぴんとするものを感じさせるお祭りでもあります。このようなお祭りこそが、日本の本当のお祭りなんだなあとしみじみと感じられます。
たくさんの人が柱を曵くのですが、写真のように地面には擦れた木の跡が残ります。そしてあたりにはモミの木の香りが充満しています。

榊葉の 香をかぐわしみ 尋(と)めくれば 八十氏(やそうじ)人ぞ まとゐせりける
榊の葉の香りがよいので、その場所を求めて尋ねくると、多くの人たちが楽しそうに寄り集まっていることだ。

こんな神楽歌を思い起こします。

こうしたところにも日本の香りの文化が息づいています。