


間があきましたが、前回にひき続き平城宮遷都1300年祭でのことです。平城宮の東院庭園が復元されて公開されていました。そのお庭の湧水源のあたりになんと石菖があるではないですか。石菖については以前も取り上げましたが、まさかこのお庭にあるとはびっくりです。復元にあたった奈良文化財研究所に問い合わせたところ、偶然に生えたのではなく、当時あったであろうということで植栽計画に入れたとのことでした。古代日本では「あやめぐさ」というと菖蒲のことでした。一方中国での「菖蒲」は日本での「石菖」のことらしく、「あやめぐさ」の場合も実際は石菖を指すことが多かったのではないでしょうか。特に湧水の近くなど水の綺麗なところには必ずといっていいほど石菖が群生しており、菖蒲を見かけることはほとんどありません。ところでこのお庭の近くには、光明皇后縁の法華寺があります。こちらのお寺には「浴室(からふろ)」といって、光明皇后が当時病気に苦しむ人のためにつくったとされる浴室の遺構があります。蒸し風呂(現代のサウナ)のようなもので、以前に私が入浴体験させていただいたことをリポートいたしました。この風呂では薬草を使っていたといわれております。しかしどのような薬草を使用していたのかは、解らないようです。ただヒントになる資料は存在します。「金光明最勝王経」というお経で、光明皇后が最も重要視していたお経です。光明というお名前もこのお経に由来しているとのこと。このお経の中で「大弁財天女品第十五の一」では、お釈迦様が弁財天にお風呂の入り方を教えているくだりが記されてあります。そこでは使用する薬草が32種揚げられているのですが、一番最初に「菖蒲」が出てくるのです。中国で「菖蒲」の表記が日本の石菖とすると、やはり当時石菖はお風呂に使用されていたと考えられます。その証拠といいますか、現在の法華寺の池にも石菖が存在しています。石菖のことをあまり注目する人もいないので、実際どうだったのかは解りません。私ひとりが感動しているのです。でもブログでは、石菖のことを折に触れて紹介したいと思います。どうか光明皇后様お導きください。合掌。
写真 上から 東院庭園全景 庭園の東北の湧水源近くの石菖 法華寺の石菖 法華寺の石菖の拡大
