2011年12月28日水曜日

御食国の味と香り






12月19日三重県鳥羽市で恒例となっている倭橘の果皮を配合した屠蘇散づくりが、行われました。京都薬科大学附属薬用植物園の後藤勝実・月岡淳子先生が講師で来られたのですが、その前に昼食に海女料理をいただくことができました。伊勢・志摩は日本で最も海女さんが多い地域ですが、この海女の文化を知ってもらおうと、海女さんが漁の後に暖を取る海女小屋を改装し、海女さんが海からとって来た魚介類を炭火で料理してくれるというものです。海を眺めながらのとれたての新鮮な貝・サザエ・伊勢エビの何と美味しいこと。しかも海女さんの明るくパワー溢れる会話が、最高のスパイスとなり美味しさを倍増させるのです。詳しく漁の話を伺うととても危険な漁にもかかわらず、この明るさ、元気さに圧倒されてしまいます。特に興味深かったのは、海に潜る場合、目印になる地形や太陽の位置などに注意を払っていることでした。身の危険を守ることですから、大事なことなのだと思われます。また小高い丘の上から、条件がいいと富士山が見える場所がある話などから、常世国の波がよせる伊勢と富士山との関わりなど、やはり海洋民俗の太陽信仰を伺わせる内容を聞くことができました。磯の香り、常世国の橘の香りを満橘した1日でした。写真は上から 海女小屋・料理風景・料理のアップ・海女さんが信仰している石神。最近は女性の願いをひとつ叶えてくれるパワースポットの神様としても知られている。御祭神は神武天皇の母玉依姫命。屠蘇散づくり風景。

2011年12月2日金曜日

CONTEMPORARY ART NOW KAWAGOE






アートギャラリー呼友館(埼玉県川越市)で、「CONTEMPORARY ART NOW KAWAOE」が12月1日より開催中です。(来年1月29日まで)知人の矢萩典行氏と石田智子さんが作品を出されております。(矢萩氏は川越在住で今回の企画の主宰のひとりでもあります)石田さんの作品は私のHPでもリンクさせていただいておりますが、白い紙縒りの透明で緊張感のあるすばらしい作品でした。矢萩氏の焼物もこれまた美々なる作品です。どこか縄文や弥生の土器を想わせながらも現代的な雰囲気もあります。矢萩氏からの依頼で、作品の壺のひとつに香りを漂わせることとなりました。4種類の日本の樹木の香りの中から矢萩氏が選ばれたのは、クスノキから採油した樟脳の香りでした。樟脳についてはこのブログでも紹介させていただきました日本で唯一の天然樟脳を製造している内野樟脳の香りです。古代の日本でクスノキは神霊の宿る霊木とされ、初期の仏像の多くはクスノキであったとそうです。(法隆寺の百済観音菩薩像や夢殿観音菩薩像、中宮寺の半跏思惟像など)そんな霊木の香りと矢萩氏の器がどんな語らいをしているか楽しみであります。1日は矢萩氏とやはり主宰のひとり田村優幸氏(田村氏の作品も展示されてあります。こちらもとても興味深い作品で石田氏の紙の作品と矢萩氏の器の作品と解け合うような砂と土の素材の作品です。)それに石田智子さんとご主人の玄侑宗久氏とでギャラリーの向いの「いも膳」で会食となりました。石田智子さんと玄侑宗久氏とは、5月に三春でお会いして以来久しぶりの再会でした。ここのお料理がまた大変すばらしく美味しく、感動いたしました。写真のように視覚的にも大変たのしいものです。垣根に雪が積もる冬景色の風情が表現されています。民家は器で屋根の蓋を取ると中におひたしが入っています。写真はありませんが、イモの粉を麺にしたイモ麺も美味しかったです。さらに驚いたのはお庭がすばらしいことでした。北山スギや紅葉。何よりも私にとっては石菖が入り口にたくさん繁茂していたのに驚嘆しました。この入り口のしっとりとした雰囲気に石菖がある空間の演出には中々出会えないものです。オーナーのおもてなしの心が隅々にまで行き届いていることに大変感動しました。尚石菖についてはブログでも触れておりますのでご参照ください。(ブログ2010年11月9日火曜日平城宮東院庭園の石菖)
呼友館アドレスhttp://www.kawagoe.com/imozen/koyoukan.html 
いも膳アドレスhttp://www.kawagoe.com/imozen/index.html